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自作小説

餓鬼狩り (第四十四回)

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                        餓鬼狩り   (第四十四回)

 内なる邪を断つ剣。
 洪暫の話によると、八握剣のこと光破剣は、時おり人の心の中に湧き上がってくる邪心を断つ剣だという。
「己自身の邪悪な感情や欲望を断ち切り、断ち切った欲望を浄化させて、敵を切り刻む剣と言ったほうが分かりやすいかな」
 と、洪暫が言う。惟三は、
「欲望を浄化!? なんや、それっ? 聖人君子にでもなれっていうんですかいな。欲望を浄化って、欲望がなくなったら生き物は終わりですでぇ~」
 と、言って茶化した。
「どんな清い人間でも、心の片隅に、薄汚れた澱(おり)みたいなものがある。嫉妬、妬み、猜疑心、おのれのみのことしか考えない自己愛……。那美とて、例外ではない」
 洪暫は、惟三を無視して話を続けた。
「那美の場合、わしらに対する怒りが、八握剣の力の源(みなもと)になっているようだがな」
「怒りが……。邪悪な感情というのですか?」
 琥耶姫が聞く。
「怒りは憎しみにつながる。人を憎む感情は邪悪なものだろうが」
「それはそうですが……」
 琥耶姫は言葉を濁らせた。
「次に足玉(たるたま)……」
 洪暫は十種神宝の話を続ける。
 十種神宝のうちのひとつ、足玉(たるたま)といわれるものは、空を自由自在に飛行するときに使われる。これを使うと、使用者を球形の薄い膜で包んで、宙に舞い上がらせる。薄い膜は一種のバーリアみたいなもので、飛行時の風圧、敵の攻撃から使用者を防御するのである。。球形の中は常に一定の気圧が保たれ、酸素が欠乏することはない。球形は外からの攻撃を受けることはないが、中からの攻撃が可能で、那美は球形の中から光破剣を使って敵を倒したことがあるという。
 洪暫は、そう足玉の説明をした後、道反玉(チガエシノタマ)のことについて話し始めた。
 道反玉は、敵を身動きできない状態させる力を持つ神宝である。道反玉の力に翻弄された敵はその場から一歩も動けなくなる。いままで空を自由自在に鳥さえも、道反玉にかかれば、地に落ちるのである。
「その神宝のせいで、伽羅はんが動けなくなってしもうたや。もう一歩で那美はんをたおせたかもしれんのになあ~」
 惟三が、ため息をついた。
 奥津鏡(おくつかがみ)は、敵の居場所を映す鏡である。那美は蒜壷一族の出現を感じると、奥津鏡を使い、敵がいまどこにいるか確認する。
「その奥津鏡の力で、那美はんは、いつもわてらの前に現れるのでっしゃろ」
 と、惟三が言う。
「奥津鏡は、わしらの姿と居場所を那美に見せ、那美は相棒の呂騎の鼻を頼りにわしらの元に駆け付ける」
 洪暫が、惟三にそう応えた。
 もう一つの鏡、人の心を読み取る能力を持つ辺津鏡(へつかがみ)の前では、人は隠し事ができない。 人は辺津鏡の前では嘘をつくことができない。隠し事さえ吐露させてしまう辺津鏡は、時と場合によって、人の深層心理まで読み取ってしまう、おそるべき神宝なのだ。
 那美が相棒の呂騎が瀕死の重傷を負った時に使った生玉(いくたま)は、生命力の源の玉である。那美の桜色のオーラ―でも治癒できない重傷な傷でも、瞬時に回復させる力を持っている。
 品物比礼(くさぐさのものひれ)は、身に降りかかる邪を払う力を持つ神宝である。那美は、餓鬼“食風”との戦いの時、相棒の呂生の身を守るためにこれを使い、食風の毒霧から呂騎の身体を守った。
 蛇比礼(おろちのひれ)は、地上から襲ってくる敵に放たれる迎撃ようの武器である。また、地雷などの罠を回避するのにも有効であり、地下に潜む地雷さえも無力にする力を持っている。蛇比礼に対して蜂比礼(はちのひれ)は、空中からの敵に対して効力を発揮する武器である。蜂比礼は、ライフル銃などの飛び道具にも有効で、銃などから放たれた弾丸は、那美の身体に届く前に、失速して地上に落下してしまうのである。
 死者の声を聞きことができるという死反玉(まかるがえしのたま)は、十種神宝の中で最大の謎を秘めた神宝である。幽界にいる死者の声も聞き取ることもでき、死反玉を最大限に使用できれば死者さえも生き返らせることができるという。
「それっ、本当の話しでっか? いくらなんでも死んだ者が生き返るはずないやろっ」
 惟三がそういう。
「惟三……。死とは何だと思う?」
 洪暫が不敵に嗤った。
「死でっか? 死とは心臓が止まって肉体が滅びることでっしゃろ」
「魂はどうなる?」
「魂は、でっか? そりゃあ~ 良い魂は天国っていうところに行き、悪い魂は地獄行きと決まっているやろ」
「死とは肉体が滅びることであって、魂は消滅しないということだな」
「そう思いますけど……。違いますか?」
「そのとおりだ。死んだら終わりではない。魂が消滅しないかぎり、命の灯は消えない」
「てっいうと……。死反玉が死人を生き返らせるということは?」
 惟三は、眉をしかめた。
「その昔、鬼部(もののべ)一族が、死反玉を使い、死人の魂を生者の魂と取り換えたという」
「魂を取り換える?! どうことですか? 肉体を乗っ取るっていうことですか。肉体を乗っ取ったら乗っ取られた方の魂はどうなるんですか」
「それは、わしにも良く解らぬ……。わしに解ることは、死さえ越えようとする死反玉を頻繁に使った鬼一族は、神の怒りにふれため、地獄に堕とされてしまったとういうことだけじゃ」
「地獄に落とされた? するってーと、いま地獄で亡者どもをいたぶっているのは、あの鬼どもは鬼部一族でっか?」
「そう、あれは鬼部一族の成れの果てじゃ」
「へえ~ 地獄の赤鬼さん、青鬼さんが鬼部一族の末裔でっか?」 
 惟三はふうん~と鼻をならした。
「洪暫さま、わらわのもとに十種神宝がそろうと、わらわにかかった呪いが解けて、わらわが地上に戻れるというのは本当ですか?」
 琥耶姫が、訊く。
「琥耶姫よ。はるか昔、わしらは人を越えたもの。蒜壷のものとして地上に君臨していた。そのわしらが、なぜ、地上から追い出されたと思う?」
「呪い……、わらわらにかかった呪い……」
 琥耶姫が眉をひそめる。かつて蒜壷一族は地上でも平気で活動できた。呪いをかけららた後の蒜壷一族は、太陽が照りつける日中は、数時間しか活動できない。
「わしらにふりかかった呪いは、先代の頭であるわしの兄、千寿(せんじゅ)が、わしらにかけたものだ」
「えっ? いま……。なんと?」
「先代の蒜壷一族の頭目、千寿がわしらに呪いをかけたのじゃ……」
「そ、そ、そ、そんな馬鹿な! 嘘でしゃろ。蒜壷の頭であった千寿さまが、わしらに呪いをかけただなんて……」
 惟三はおののき、琥耶姫、大地のイと風のヌは驚愕した。
「嘘ではない。先代の頭目が、わしらに呪いをかけたのじゃ」
「なにゆえ、そのようなことを……」
 大地のイが自分自身に問うように言うと、
「気が狂ったとしかいいようがないではないか」
 と、風のヌが、そう応えた。
「まさか、あの噂は本当のことですか? 千寿さまの妻(おく)さんが、蒜壷のモノではなく、ただの人間だったという、あの噂は……」
 惟三が、口をあんぐりと開けた。
 

                         = 第四十五回に続く =

PS また前回から間があいてしまいました。反省します!
 
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